お題スロットでポエム作ったらカオスに包まれた。
この色が好き。
私は青が好き。透き通った海の色。澄み渡った空の色。青が好き。
今日はお出かけしよう。真っ青な空に包まれる晴れの日は大好き。
スマートフォンの色はコバルトブルー。強く美しい青は夏の海を感じさせる。
カバンの色はアクアグレイ。淡い青は上品さを感じさせる。
大好きな青を詰め込んでお散歩を楽しもう。楽しくなる予感がした。
赤いカバンの子と道でぶつかった。その子は顔まで真っ赤にして怒り出した。
だから赤は嫌いだ。赤は血の色。赤は激情の色。赤は下品な色。
何から何まで真っ赤っか。下品でしょうがない。おしゃれのセンスも無いらしい。
変な子に絡まれたと頭を傾げたらペローのイヤリングが微かに揺れた。
でもね、ウルトラマリンの財布を見せたらすぐに黙ったの。
エレガントな色にうっとりしちゃったのかな。
真っ赤な子が動かないみたいだからバンビーノのコートを翻して帰ろうとした。
そしたら急に真っ赤な手袋に肩をつかまれてびっくりした。
下品な色で触らないでよ。そう言い終わる前にペローのイヤリングが激しく揺れた。
痛い。口を拭うとバンビーノのコートが真っ赤に染まった。
嫌だ。下品な色で染めないでよ。とにかく青い人達を呼ばなきゃね。
スマートフォンを見ると画面が真っ赤だ。どうしよう手が滑っちゃう。
カバンもさっきの衝撃で落としてしまった。下品な子が拾おうとしている。
やめて。下品な手で触らないで。
力強いコバルトブルーもエレガントなウルトラマリンも汚された。
もうやめて。私何もしてないじゃない。
「く……っ……あっ……あああああああああああああ!!!」
突如獣の断末魔の様な声がリナを襲う。まさかと思いカバンから手を放し周囲を見渡すが、誰もいない。逃げたのかと笑みを浮かびかけていた顔が大きく歪む。
「よくもやってくれたわね。」
酷く腫れてしまった目からは髪を青く変色させたサナが確認できる。まさか、この私がやられたの。そんな過大評価もサナのスピードに完全に覆される。
「ロンドントワイライト!!!」
繰り出された蹴りを紙一重で避ける。いや、避けたのではない。偶然にも体が反応したのだ。生存本能という人間最大の防衛機能によって。
「「やるわね。」」
お互いの言葉が重なる。しかしリナは自分が押されているという事を確信していた。こうなったらやるしかない。覚悟が彼女の目に宿る。その瞬間、頭髪が激昂に染め上げられた。
「思ったより楽しめそうじゃない。」
薄い唇を醜く歪ませたサナが構える。本気で来るという合図だろうか。どうであれ、私も本気を出さなければやられる。激闘の色が二人を覆った。
「ユニオン・ジャック・ブルー!!!」
「ダブル・デッカー・バス……ッ!!!」
赤と青が今ぶつかる‼!
忍び寄る緑はどちらの味方なのか…!!!
3つの色が重なる時、世界が行き着く先は白か……それとも……‼!!
つづかない。