たまねぎ配信者のTwitch雑記

最近流行りのことなどについて書いていきます。

一寸先はケツ。

 一寸先はケツ。

一体何なのだろうか。冬だというのに、あれは何だというのか。ホットパンツだろうか。いや違う、言うなればホットスカートと言った所だろう。

 

ホットパンツのパンツの境目が無くなりひらひらしている。それでありながらホットパンツのホット部分である丈の短さをキープしている。何て危険な服装なんだ。

 

憂鬱な通学時間がホットスカートの出現によって一気にデンジャラスな匂いを潜めたジャングルの様な雰囲気を帯び始めてしまった。ちなみに自分でも何を言っているかは分かっていない。

 

もしもあのホットスカートを覗く……。いや、偶然中が見えてしまうという破廉恥極まりないアクシデントが起こるとしたらチャンスは2回。

 

エスカレーターと大学前の階段である。そのどちらかで覗く事が出来なければ俺は今日という日を一生後悔するだろう。もしも、俺がSF小説の主人公で過去に行けるとなれば迷わずこの日を選ぶくらいには後悔してしまうはずだ。

 

まずは落ち着くことが先決だ。興奮が過ぎて職質でもされよう物ならそれは同時にミッション失敗を意味する。そして俺の後々の学生生活にも響いてしまう。

 

肩を落とし、目の前のデンジャラスなスカートなど気にもしていないという日常を演じる。今考えたのだが、やはりホットスカートではなくデンジャラスカートという名称はどうだろうか。

 

よし、完全にいつもの自分に戻る事が出来た。この調子で歩き始めよう。いや、ちょっと待ってほしい。高低差を利用してデンジャラスカートのデンジャラスな部分を垣間見るという行為にはまずデンジャラスガールの後ろに位置しなければならない。

 

ここは落ち着きを倍にして、少し疲れてしまったような素振りで歩みを遅くするのが最善だ。何とか横一線から後ろに位置をずらすことに成功した。後は第一のデンジャラスチャンスであるエスカレーターを待つだけだ。

 

ここでシュミレーションを始めようとし、ある事に気が付いた。エスカレーターはその性質上、高低差を生むためにはかなりの距離が必要だ。そして、この通学中の混み合った空間で、その距離内に障害物となる人が入ってこない可能性など0に等しい。

 

しまった。このままでは貴重なデンジャラスチャンスの内1つを無駄にしてしまう。どうすればいいだろうか。もう一度綿密にシュミレーションを開始する。そしてある事に気が付いた。

 

エスカレーターを止まったまま降りる人などいない。つまり、降りる時には少しばかり歩いて降りるものである。ここに光明を見出すしかないだろう。今の俺にとってはそんな僅かばかりの光でもかき集めなければいけない。でなければ孫に残す言葉がデンジャラスになってしまう。

 

いい位置をキープしたままエスカレーターまで辿り着くことが出来た。後は光を掴むだけだ。そう思っている俺の横を何かの影が通り過ぎた。影なんかいじゃない、こいつは、デンジャラスガールの友達だ。またも大きな障害が出てきてしまった。

 

友達とデンジャラスガールの間に割って入りエスカレーターに乗るのはほぼ無理に近い。そんな事をしたら俺がどれだけデンジャラスを欲しているかという事がばれてしまう。ここは、潔くデンジャラスガール、友達、俺、という順番でエスカレーターに乗ろう。

 

この友達には憎悪の念しか抱けなかったが、実際にエスカレーターに乗ってみると1段という高低差がいかに大きいものか思い知った。この1段が無ければ、せっかく掴みかけていた光も霧散してしまっていただろう。この友達には感謝せねば。

 

デンジャラスガールの足も中々デンジャラスな物で、これを見ているだけでも何か自分がいけない事をしている様な感覚に襲われる。実際にいけない事をしかけているのだが。

 

そんな事を考えていると早くもエスカレーターの頂上が見えてきた。心臓の鼓動が速くなり、周りがスローモーションに見えてくる。一人、また一人とエスカレーターを降りていくが、我々の番はまだまだ先だろう。いや、永遠に来ないのかもしれない。むしろ来なくてもいい。

 

しかし現実という物は残酷である。いくら時が遅く感じられていても、進んでいる内は永遠などやってこないのだ。既にエスカレーターの先頭はデンジャラスガールだけになっていた。

 

デンジャラスガールが右足を上げた瞬間に、丸い柔肌が見え隠れした。見えた。と一瞬思ったが、まだデンジャラスの核を見たわけではない。これくらいなら何度でも見たことがある。俺はデンジャラスのその先が見たいのだ。

 

次々と左足、右足と繰り返し上げていくデンジャラスガールだが、先ほどの柔肌以上は全く見えない。何故だろう。そうか、エスカレーターという物は自分も常に昇っているのだ。位置関係が多少変わったためデンジャラスゾーンに近づけただけで、これ以上の収穫を求めるには、自分がしゃがむ等して位置関係をもう一段回開かなければならない。

 

しかし、そんな事をしたら、俺は校内1のデンジャラスボーイとして晒されてしまう事だろう。ここは血の涙を流してでも我慢すべきだ。何よりも次のデンジャラスチャンスが待っているではないか。

 

エスカレーターを順調に降りた後には、割とすぐに階段が待っている。全くなんて破廉恥な通学路なのか。一体誰が作ったのか。一体誰が考えたのか。感謝してもしきれないとはまさにこの事である。

 

次は階段という事で、先ほどよりも距離が必要だ。ある程度離れながら後ろに着くことにしよう。

 

順調だ。多少の失敗はあったが、階段で全て挽回すればよいのだ。順風満帆とよく言うが、今の状況は順風満パンティーだ。

 

おっと、口が滑ってしまった。俺としたことが、パンティーなどという破廉恥な言葉を使ってしまうとは、精神統一が甘いようだ。今日この短い時間で色々な経験を得た。そして今、目の前の階段でその経験を使う時が来る。

 

何だこれは。一体どういう事だ。いつの間にか俺の周りを男が囲んでいる。デンジャラスハンティングがばれたのだろうか。いや違う。こいつららまさか。全員デンジャラスハンターだとでもいうのか。

 

しまった。ライバルがいるという事を考えておくべきだった。それにしてもここまで多いとは。もう既にデンジャラスガールは階段を昇り始めている。しかし、俺の前にはデンジャラスハンターによる壁が幾重にも建設されて始めていた。

 

どうする。デンジャラスガールは階段の中腹にある踊り場を過ぎたところだ。もう時間が無い。このまま階段の麓で戸惑っているよりは昇り始めた方が賢明だろう。

 

デンジャラスハンターたちの壁はまだまだ厚いままだ。中には鼻息を荒くしている者もいる。既にデンジャラスを見たとでもいうのだろうか。羨ましい奴め。もはや手段を選んでる場合ではない。

 

子供の頃見ていたアニメを思い出せ。確かデビルバットゴーストという技があった。次々と人を躱すその姿に憧れていた時代もあったではないか。今がその時だ。憧れを現実に変える時なのだ。

 

心の中で叫ぶ「デビルバットゴースト‼!!」右足で強く階段を蹴り、ハンターたちの間に斜め移動で割って入る事に成功する。まだだ、まだ見えない。着地と同時に左足を使って前に飛び出る。俗にいう2段飛ばしだ。届きそうな距離に光が見える。

 

これが最後の一歩。前傾姿勢で目の前の壁を割る。ようやく見えた。俺はデンジャラスを手に入れたのだ。そのままの勢いでデンジャラスガールの横を走り去る。こうする事で、急に焦り出した変な奴程度の認識で済むだろう。

 

胸に達成感を抱きながら走り続ける。一寸先は闇。確かにその言葉通り、デンジャラスの色は黒だった。だが今の俺には、闇ですら光に見えた。これからはたとえ先が見えなくても走り続ける事が出来るだろう。

 

おしまい。